噛む子のトレーニング

愛犬が噛むと言ってもいろいろあります。ここでは、噛む犬の相談があった時に、どのようにトレーニングを進めていくかを書きたいと思います。ここに書いてあるものが正しいということではありません。私はこのように進めますので、出張トレーニングを検討している方に参考にしていただけたら幸いです。

噛む理由を探る

噛むと言っても、様々なケースがありますので、飼い主様のお話を伺い、犬の様子を見て、いつどのような時にどれくらい噛むのかを探ります。パピーで多いのは、じゃれがみです。そのほとんどが遊びの延長戦上にあるものですが、それをどのように扱っていいかどうかわからないことも多いようです。時々、パピーでも怒ったように激しく興奮して噛む場合もあります。他には、触ろうとすると噛む、特定の人にだけ噛む、など様々なケースがありますので、ご相談の内容を良くお聞きします。病気や怪我の可能性もありますので、その場合は、動物病院での診察をお願いします。

噛まれずに済む方法を考える

人を噛む場合、その経験を今後しないように管理できるよう考えます。それは、噛むことでその犬にとって利益を得ている可能性が高く(噛むことで嫌なことを避けることができるなど)、その経験を積めばまた、また嫌なことをされそうな気配を感じた時に噛む可能性が高くなります。おもちゃを取り上げようとすると噛む場合は、一人遊びのおもちゃを控えたり、食べ物と交換することで問題なく渡してもらえるようでしたらそのようにお願いします。抱き上げ時に噛むのなら、抱き上げずに済む方法を考えることもあります。家族構成やライフスタイルにも影響しますので、よくお話を伺って可能な方法を考えていきます。

問題の根本を解決する

噛むことが犬と人にとって、日常生活に不利益を生じる場合にトレーニングをします。犬を人間のおもちゃにするような行為で噛まれるような場合には、その行為を辞めていただくようお願いするだけの場合もあります。リードをつけられずお散歩にいけない、触ろうとするだけで噛むので日常のお世話が困難など、犬の福祉を守るためのお世話が実行できないとき、それらができるようになるためのトレーニングを考えます。噛むことが原因で腫れ物に触るような状態になり、犬の楽しみが極端に限られてしまう場合も、犬を楽しませられるようなトレーニングを考えることもあります。

具体的には、犬のボディランゲージを読み、噛まれる前に対応できるようになること、噛む原因となっていることを特定し、それらを徐々に受け入れてもらえるように練習することがメインになります。

目標点

状態によって様々ですが、他の誰かと比べることなく、その犬と飼い主さんにとって最良の状態を目指します。噛まれそうなことをしないで済むように整えることも大切なことです。トレーニングで別犬にすることは期待できません。ですが、日々の工夫と継続によって、結果的に別犬のように穏やかになる可能性はあります。大切なのは、他の誰かと比べたり、他の誰かと同じようになることを目標としないことです。

噛む場合においては様々なケースがあり、ここに記載していることが全てではありません。また、犬と人双方において危害が加わる恐れがあり、非常にデリケートな問題だと思います。犬に強要強制することはありません。飼い主さんと上手に暮らせるように手助けする形で考えております。