ドッグスポーツは苦手です。

犬と暮らすのために、ドッグスポーツなどの競技会への出場は、必ずしも必要ではありません。かつては、ドッグダンスなどに挑戦し、その楽しさも感じたこともありましたが、それらは、「発表会」や「本番」というものが付きまといます。それは、こちらの都合を考えず、日にちが決められています(当たり前ですが)から、そこに合わせて練習することになるのです。それがどうしても、受け入れられない・・・。だって、犬には関係のないことですから。私にとって、本番や発表会の存在は、犬と私のペースを壊してしまうものでした。

私も、負けず嫌いで、出たら良い成績を取りたくなるし、観客に良いところを見せたくなってしまうのです。でも、その気持ちは、犬には全く関係ありません。犬はその時を生きていますから、私は、全力でその時の犬の状態がハッピーであるように、配慮したいと思うのです。その配慮と勝ちたいという気持ちは、私にとって、相反するものでした。また、周りの方も、上手に犬と関わっている方も多いですが、そうでもない方も見受けられて、その環境に身をおくことや自分の犬を連れて行くことに嫌悪感を感じてしまったこともあり、今では、ドッグスポーツ・・・というか、そのような競技会や発表会にチャレンジすることはやめました。

だけど、だからといって、何もしないということではありません。自分の犬がハッピーでいられるように、また、私も彼らと仲良くなるために、様々なトレーニングを行います。

犬がハッピーでいられるためのトレーニングは、ドッグスポーツなどの競技会出場を目標としなくても、自分たちのペースで、穏やかに進めることができます。何か目標がないとできないという方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、「目の前の犬が、今、この時、ハッピーである状態を見ること」が、私が犬たちをトレーニングする最大の強化子(ご褒美)となっています。

表彰台に上がったり、賞を取ることができれば、私も嬉しいですが、そのことは、必ずしも、犬がハッピーである結果ではありません。

正の強化のトレーニング(いわゆる、おやつの使用、褒めるしつけなど)は、ハンドラー(トレーナー)の理解度によっては、犬を本当に意味でハッピーに導けないこともあります。トリーツを使って、目標の行動を引き出し、定着させたとしても、そのプロセスによっては、犬をロボットのように動かすことに一生懸命になってしまい、その犬の福祉に配慮できないことがあるのではないか、そのように思うようになりました。

日常を穏やかに、楽しく、マイペースに、ハッピーに、犬と歩んでいきたいと考えています。そのためには、各種タイトルを取ることは、私にとって必要ではなく、毎日の穏やかなトレーニングを楽みたいと思っています。

そんな考えに、共感していただける飼い主様がいらっしゃいましたら、ぜひ、一緒にトレーニングしましょう!